木元 茜「 世界を翔るキャリアウーマンへの道」の巻
2021.1.21
今年4月に新卒採用され、現在は営業部に配属。すべてが日々勉強中というルーキーにインタビューしました。
Q:今年3月に大学を卒業され、渡辺酒造店に入社されたとお聞きしました。大学では何を勉強されていたのですか?
木元氏:愛知県の大学で国際関係学科にいました。国際関係と言っても政治関係や経済関係など色々な専攻があったのですがその中で私は語学を中心とした異文化理解、具体的に言うと海外の方に日本語を教える日本語教育を中心に勉強していました。大学の特別カリキュラムで短期ですが実際にインドネシアやカナダに行って日本語を教えることもしていました。
Q:語学がメインだったのですね?一見畑違いにみえる日本酒の酒蔵への就職となったわけですが、渡辺酒造店に入社することになったいきさつを教えて下さい。
木元氏:語学を勉強していたので、やはり語学を活かした仕事をしたいとは思っていたのですが、3年の秋頃、具体的な仕事を描く中で、語学を使い、且つ私が生まれ育った飛騨地域のモノを海外に向けてP R する、架け橋のような仕事ができたらいいなと思うようになったんです。そんな中、飛騨地域で行われた就職企業展に参加する事になりました。語学を活かせる仕事といえば、市役所の外国人誘致関係の課とか、ホテルとか…などと漠然と思って参加をしていました。実際、最初はその辺りの企業を回ったのですが、実際にブースでお話を聞くと、あまりピンとこない部分があり、なんとなくふらふらとしていました。そんな時、他の事務的なブースとは違い、派手に飾られたブースが目に入りました。社名はもちろん業種も分からないまま近づいていくと、そこにはなぜかアメリカ人(コディ)が…。それで吸い込まれるようにブースに入り説明を聞き、そこで流れていた映像を見ていたら興味がふつふつと湧きはじめ、コディの「今はまだだけど、日本酒を海外で広めたいんだ」の言葉で、その力になりたい!と思ってしまったのがスタートです。
Q:大きな目標を持ち入社して6カ月。現在のお仕事を教えて下さい。
木元氏:現在は営業部に所属し、店頭での接客、前線で営業をしている渡辺専務やコディの後方支援そして最近では、海外観光客対象の有料体験型蔵見学の案内役をしています。営業という部分ではまだ自分ひとりで商談に行ったりできませんし、お酒の知識もまだまだ。目下勉強中です。ただ有料体験型蔵見学については、自分のアイデアを出したり、実際に自分で考えて行動したり…少しは会社に貢献できているのかなぁと思っています。
Q:有料での体験型蔵見学とは非常に珍しい試みらしいですね。
木元氏:はい。他ではあまりないはずです。無料ですと、時間も限られ十分に理解していただけない。それならば、有料にすることで、お客様にも、また提供側も本当に意味のある蔵見学にするべきという考えがスタートでした。モニターツアーを何度か行い、ツアー商品としてカタチにすることができました。
Q:海外の方向けの蔵見学と日本人向けのそれでは違いがありますか?
木元氏:基本的には違いはありません。ただ、欧米の方は『米』についての知識があまりないため、酒造りの説明の前に『米』について、米粒や稲穂を見せたり、説明が必要になってきます。日本人やアジアの方の場合は『米』自体についてはそんなに時間を割くことはないので、これも異文化理解ですね。
Q:話は変わりますが、先月既に海外出張をされたと聞きました。
木元氏: はい。コディが行く予定だったのですが、コディが行けなくなり、出発の10日程前に急遽私が代わりに行く事になりました。シカゴでの業者向け展示会、ニューヨークでの試飲会そしてトロントでの商談会に行ってきました。
Q:飛騨のモノを海外に、自分の語学を活かしてPRしたいという夢が6カ月で現実になったんですね。
木元氏:ただ夢と現実のギャップはありましたね。実はアメリカ合衆国へは今まで行った事がなく、未知の地へ自分ひとりで、まだお酒については勉強中の身で飛び込んだのはとてつもないプレッシャーになりました。充実感とか満足感など感じられる余裕もなくクタクタになってホテルに帰っていました。今思えば、とても充実した5日間だったと思いますけどね。
Q:それにしても急な海外出張しかも一人で。よくOKしましたね。
木元氏:何事も前向きに、ノーと言わないのがポリシーで。できそうな事は何でもやる、できなさそうな事には取りあえずトライ!日々勉強という気持ちでいるので、怖さはありましたけど、思いきりと度胸で行ってきました!
Q:まだまだ勉強中の木元さんだと思いますが、次の目標は?
木元氏:まずは、営業という畑で一人立ちしたいと思います。そして海外向け営業の中で担当の国を持たせてもらいたいと思っています。コディは欧米、私は、大学時代日本語教育プログラムでインドネシアに行った関係で、インドネシアには何度も行き、とても好きな国なので、インドネシアを含めた東南アジアを担当させて頂けるといいですね。
Q : いい夢ですね。それでは最後に、木元さんのお好きなお酒を教えて下さい。
木元氏: 結構お酒が飲める方なんで、ガッツリしたお酒が好きです。夏は、ガリガリ氷原酒をロックまたはソーダで。そしてこれから迎える冬には、熱燗の小町桜がたまらないですね。
「飛騨と世界をつなぐ架け橋になりたい!」そんな夢を持った新入社員が今年も渡辺酒造店に入社されました。お話ししていて感じたことは木元さんの度胸と根性でした。今はあまりはやらない言葉かもしれませんが、是非持ち前の度胸と根性で、世界の扉を開いて欲しい、そんな夢を応援したくなるようなインタビューでした。
聞き手/村坂壽紀