- 日本酒を愉しむ
- 日本酒を探す
- 日本酒を知る
2021.11.11
「大吟醸」と「吟醸」の違いは?
これを見れば日本酒の種類がまるわかり!!【渡辺酒造店】
吟醸酒・大吟醸酒はどのように違うのでしょうか?
皆さんは、その違いを正しく説明できますか?
実は、この2つの違いを説明するためには「精米歩合」というものを理解する必要があります。
今回は日本酒の種類について、詳しく解説いたします!!
目次
1. 大吟醸と吟醸の違いは「精米歩合」で決まる
2. 精米歩合による味わいの変化
3. 精米歩合による香りの変化
4. 吟醸・大吟醸酒の美味しい飲み方
5. おすすめの大吟醸・吟醸酒
6. おわりに
大吟醸とは?吟醸との違いを解説
「吟醸造り」といわれる製法で醸される、大吟醸酒や吟醸酒。
読んで字のごとく、” 吟味 ”したお米を低温の状態で長期間発酵させる製法のことです。
大吟醸酒などのラベルを見ると、「長期低温発酵」なんてことが書かれていることもあります。
しかし、そんな名前が似ている大吟醸と吟醸はどのように区別されているのでしょうか?
今回は、2つの違いについて解説します。
大吟醸と吟醸の違いは「精米歩合」で決まる
吟醸と大吟醸の違いを説明するためには、「精米歩合」を理解する必要があります。
「精米歩合」とは、”玄米を削って、残ったお米の部分の割合”のことを指します。
日本酒のラベルを見ると「精米歩合40%」という表記がありますが、これは玄米の60%の部分を削り、
残った40%を原料として使っているということを示しています。
日本酒の原料として使われるお米は、私たちが普段食べている食用米に比べると、より磨かれた状態で使用されています。
なぜここまで磨くのかというと、酒造りにおいて、お米の表層部分というものは雑味を生む原因と言われているからです。
お米の表層部分にはたんぱく質や脂質、でんぷんなど多くの栄養素がありますが、これらが多すぎると雑味が残ってしまい、
お酒の芳醇な香りが消されてしまうのです。
さて、本題の「大吟醸」と「吟醸」の違いはどこにあるのかというと、精米歩合の大きさにあります。
精米歩合について、吟醸酒は60%以下、大吟醸酒は50%以下でないと名乗れないという決まりがあるのです。
精米歩合が高いということは、それだけ玄米の多くの部分を削っているということなので、手間がかかっています。
なので、大吟醸酒のほうが値段は高くなる傾向があります。
精米歩合による味わいの変化
精米歩合は、先ほどの述べた通り日本酒の味わいに変化をもたらします。
栄養素と聞くといいイメージしか持たれないと思いますが、酒造りにおいて多すぎる必要以上の栄養素や成分は、お酒の良さを妨げる存在となります。
一般的により多くの部分を磨いた日本酒はすっきりとして雑味のない、クリアな味わいに仕上がります。
逆に精米歩合が低い日本酒はコクがあり芳醇な味わいとなるので、お米の旨味を特徴としたお酒が多いでしょう。
ちなみに、純米大吟醸と大吟醸、純米吟醸と吟醸の違いは、醸造アルコールが添加されているかどうかの違いになり、
米と米麹のみで造られたお酒のみ純米と表記できます。醸造アルコールを添加することで、淡麗で辛口な味わいや後味に感じられたり、
品質をより良く保てるといった効果もあります。
精米歩合による香りの変化
精米歩合は、味わいと同様に日本酒の香りにも影響を与えます。
一般的に精米歩合が高いお酒は華やかで香り高くなり、フルーティな香りがするのが特徴です。
この香りを「吟醸香(ぎんじょうか)」といいます。
逆に、精米歩合が低いお酒は控えめなお米本来の香りに仕上がります。
なぜ香りが精米歩合によって変化するのかというと、お米に含まれる脂質の量が変わるからです。
脂質には、香り成分を抑制する力があります。脂質はお米の表層部分にしかないので、
お米を磨けば磨くほど脂質が減っていき、より豊かな香りのお酒に仕上がるというわけなのです。
吟醸・大吟醸酒の美味しい飲み方
香りが豊かな吟醸酒・大吟醸酒は、飲むときの温度によって味わいが大きく変化するお酒です。
温めると香りが飛んでしまうので、熱燗にするのは避けたほうがよいでしょう。通常は冷蔵庫などでよく冷やして飲むのが基本です。
ラベルに「要冷蔵」と表示されているものもあるので、保存方法もよく確認しておきましょう。
冷えた状態でグラスに注いでからも、温度とともに味の感じ方が変わってきますので、時間経過で変化を感じるのも通ですね。
要冷蔵のものでなければ、涼しい場所に保管しておいて常温で楽しむこともできます。常温なら芳醇で豊かな香りをしっかりと楽しめるでしょう。
—おすすめの大吟醸酒—
【「日本酒がワインを超える日」出版記念・大吟醸零酒】
「Sake is Eentertainment」を哲学とした独自のエンタメ経営で、酒造業界を揺るがす怒涛の快進撃を続ける、
渡辺酒造店 荒城屋 九代目 渡邉 久憲の処女作「日本酒がワインを超える日」の書籍出版記念酒。
本のタイトルに恥じない香り高い「ワインを超えた日本酒」が出来上がりました。
将来やコロナ禍の不安で夢を持ちづらい今、お酒のつまみにこの本を読んで一瞬でもコロナを忘れて楽しんでいただければ幸いです。
おすすめの飲み方:冷や・常温
分類:大吟醸中汲み雫酒
原料米:特等山田錦
精米歩合:35%
日本酒度:+2
アルコール分:17%
酸度:1.2
【大吟醸 超吟しずく】
渡辺酒造店のフラッグシップ・超吟しずく。数ある渡辺酒造店の商品の中でも、高級酒の主力銘柄です。
大寒造りの大吟醸酒の中から特に出来の良いものを選び出し、酒袋から自然に滴り落ちる雫を集めた一年の造りの極上のエッセンスです。
清流の水のように美しく軽やかな吟香と、落ち着いた深い味わいをお楽しみいただけます。
2021年11月 名古屋国税局局長賞 受賞酒。
おすすめの飲み方:冷や
分類:大吟醸
原料米:山田錦
精米歩合:35%
日本酒度:+5
アルコール分:15%
酸度:1.2
—おすすめの吟醸酒—
【蓬莱 純米吟醸 家伝手造り】
ANA国際線ファーストクラス採用酒。
契約栽培した酒造好適米「飛騨ほまれ」を使い、少量仕込みで吟醸づくりをした純米吟醸酒です。
やわらかさのなかにある奥深いコク、調和する五味。米の旨味をそのままお伝えします。
派手さを求めず、気品ある素直な味わいの純米吟醸を目指した自信作です。
今回、米違いの姉妹酒も登場いたしました。家伝手造り3種類それぞれの酒米がもつ個性や味わいの良さを飲み比べて楽しむ様子は、
まさに飛騨古川の伝統祭事を思わせる「喧嘩酒体験」。ぜひご自身で体感してください。
おすすめの飲み方:冷や・常温・ぬる燗
分類:純米吟醸
原料米:ひだほまれ
精米歩合:55%
日本酒度:+3
酵母:M310
アルコール分:15%
酸度:1.4
【蓬莱 純米吟醸 家伝手造り 山田錦】
国内外のコンクール10冠王達成受賞酒、渡辺酒造店の大スター商品・「蓬莱 純米吟醸家伝手造り」の姉妹酒が限定本数各4,500本で新登場!
今回、看板酒の「飛騨ほまれ」と違う酒米「酒米の王様:山田錦」を使用し、同スペック(精米歩合55%、酵母M310)で醸造しました。
メロンのようなふくよかな香りの中に、ほんのりとナッツ香が見え隠れ。その複雑な香りに、酸味と渋みがほどよくマッチしています。
おすすめの飲み方:冷やして・常温
分類:純米吟醸
原料米:山田錦
精米歩合:55%
日本酒度:-1
酵母:M310
アルコール分:16%
酸度:1.3
【蓬莱 純米吟醸 家伝手造り 赤磐雄町】
国内外のコンクール10冠王達成受賞酒、渡辺酒造店の大スター商品・「蓬莱 純米吟醸家伝手造り」の姉妹酒が限定本数各4,500本で新登場!
今回、看板酒の「飛騨ほまれ」と違う酒米「様々な酒米のルーツ:雄町」を使用し、同スペック(精米歩合55%、酵母M310)で醸造しました。
100年以上途切れずに栽培されつづける唯一の品種であり、ブランド米・赤磐町の赤磐雄町。
かすかに漂うマスカット、リンゴのような芳香。なだらかな味の起伏を帯びた優しく包容力のある飲み口。雄町特有のコクがしっとりと溶け込んでいます。
※入手困難米ですので数に限りがございます。予めご了承ください。
おすすめの飲み方:冷やして・常温
分類:純米吟醸
原料米:赤磐雄町
精米歩合:55%
日本酒度:-2
酵母:M310
アルコール分:16%
酸度:1.4
日本酒の種類は吟醸・大吟醸以外にもある
ここまで、吟醸酒、大吟醸酒について解説してきましたが、実は他にも種類は存在します。
清酒の中には、「特定名称酒」という、酒税法上で原料や製造方法の違いなどによって8種類に分類されたお酒が存在しており、
吟醸酒と大吟醸酒はどちらもその特定名称酒のうちの一つです。
その他の特定名称酒には、「本醸造酒」、「特別本醸造酒」、「純米酒」、「純米吟醸酒」、「純米大吟醸酒」、「特別純米酒」があります。
また、これらの特定名称酒に当てはまらないお酒も「普通酒」として分かれています。清酒は、細かい分類で様々な種類に分けられているのです。
これらはあくまで原料や製造方法によって区分されたものであるため、価値やランクで分かれているものではありません。
おわりに
今回は吟醸酒と大吟醸酒の違いをご紹介してきました。
お米を磨く手間がかかっている大吟醸の方が一般的にいいお酒と思われがちですが、単にお米を削った割合の違いなので、味の好みは人それぞれでしょう。
色々な情報や意味を知ってから飲むと、楽しみ方も増えますね。
あくまで価格や表示は参考程度にとどめ、実際に味わってみてお好きな味わいを見つけてみてください。