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2022.7.11
“中秋の名月” 秋といえばお月見!!
季節を楽しむための月見酒についてご紹介【渡辺酒造店】
「中秋の名月」お月見を楽しむ日本酒についてご紹介
「中秋の名月」というように、お月見といえば秋。
秋は、旬の味覚とともに「ひやおろし」などのおいしいお酒を味わえる季節です。
今回は、「月見酒」の歴史や楽しみ方などをご紹介します。
月見酒の歴史
日本において「月見酒」の歴史は古く、古代から秋の収穫を感謝し、月の下で酒を飲む「月祀り(つきまつり)」の風習があったとされています。
その後、奈良・平安時代には、月見をしながら酒を酌み交わす「観月の宴」の風習が大陸(中国)から伝わり、
時の貴族たちは日本古来の「月祀り」に加えてこの催しを行い、舟遊びや舞楽などとともにお酒を楽しんだのだとか。
現在でも馴染みがある「中秋の名月」はこの風習がルーツで、旧暦8月15日の夜に見る月のことを指します。
そして、鎌倉・室町時代になると、「月祀り」や「観月の宴」の風習は、貴族だけでなく武家や農民にも広がります。
それに伴い、「月見酒」は再び古代のような農耕儀礼としての意味合いを取り戻していきました。
こうして、稲の初穂や団子などとともに新米で醸したお酒を供え、神々に感謝を捧げる「月見酒」が日本国内で定着していったとされています。
実は「月見酒の日」が設定されている
以上のように長い歴史を持つ「月見酒」ですが、
実は2017年に、秋の名月の日が月桂冠株式会社によって「月見酒の日」として正式に制定されました。
一般社団法人日本記念日協会によると、「現代を生きる日本人が改めてこの粋な文化に目を向けて楽しむきっかけになれば」
という想いが込められているそうです。
「月見酒」には「ひやおろし」が欠かせない
「月見酒」として味わっていただきたいのは、「ひやおろし」です。
「ひやおろし」とは、一般的に冬に搾られた新酒を春先に火入れ(加熱殺菌)し、夏の間に貯蔵・熟成させ、
外気の温度が貯蔵庫と同じくらいになってきた秋に出荷するお酒のことです。
通常、日本酒は貯蔵する前と出荷前に火入れを行いますが、「ひやおろし」は出荷前には火入れを行いません。
つまり、「冷や」のまま「卸す」という意味で、「ひやおろし」と呼ばれます。
夏の間に熟成を深める「ひやおろし」は、穏やかで落ち着いた香りやまろやかな味わいが魅力。
まさに優雅に楽しむ「月見酒」に、ぴったりのお酒と言えるでしょう。
「月見酒」におすすめの渡辺酒造店の日本酒
「月見酒」にふさわしい日本酒を紹介します。
1.蓬莱 ひやおろし 蔵元鑑査 無濾過原酒
熟成により様々な変化をみせる日本酒。
その中でも愛飲家のみなさまに古くから愛されているのが、この「ひやおろし」です。
新酒にはない穏やかで落ち着いた香りと上品な柔らかさ、無ろ過原酒ならではの熟成したまろやかな味わいが特徴です。
脂ののったサンマやキノコなど旬の味覚とともに、深まりゆく秋の夜に月見酒でお楽しみください。
保存方法:冷暗所
原料米:ひだほまれ
精米歩合:68%
アルコール分:19%
日本酒度:-2
酸度:1.6
2.蓬莱 自然発酵蔵 ひやおろし 特別純米
飛騨と白川郷の境にある「飛騨最後の秘境」といわれる天生峠。
500年もの歳月を経て湧き出る『天生水』には、数々の言い伝えがあり、
中でも時の修行僧がこの水を飲み、水浴したことで万病をいやす神通力を得たのだとか。
その力によって極めて旺盛な発酵力をもったお酒になりました。
この酒がもたらしてくれる恵みには、私たちの想像をはるかに超える何かが感じられます。
保存方法:冷暗所
原料米:飛騨ほまれ
精米歩合:55%
アルコール分:15.5%
日本酒度:1
酸度:1.1
まとめ
「月見酒」は、日本で古くから親しまれてきた秋の歴史ある風習です。
夏の間に熟成を深めた「ひやおろし」は、秋にしか味わえない日本酒です。
穏やかで落ち着いた香りや、まろやかな味わいが特徴で、秋の味覚にとても合います。
さんま・鮭・栗・サツマイモ・ちょっぴり贅沢に松茸 . . .
” 食欲の秋 ” 美味しい秋の味覚がたっぷりの食事を、秋の日本酒でより一層華やかに。
中秋の名月に、ゆったり月を愛でながら、秋ならではの味覚とともに、秋ならではの日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。