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2022.11.29
どうして飛騨地方の日本酒は美味しいの?【渡辺酒造店】
飛騨地方には長い歴史を持つ多くの酒蔵が集まっており、銘酒が揃っています。
なぜ飛騨地方が酒造りに優れているのか?ご紹介いたします!
■飛騨地方の特徴
飛騨地方は岐阜県の北部に位置しております。
山や川、渓谷など自然に恵まれており、美しい四季の変化を感じられる場所です。
北アルプスの山々に面しており、夏・冬のどちらも昼夜の気温差が大きいことに加え、日本でも有数の豪雪地帯です。降り積もった雪が春になると、その雪解けの水が滑らかな川の流れを生み出し、飛騨の地に豊かな恵みをもたらします。
また、山に囲まれた土地ながらも盆地であるため米作りも盛んです。
岐阜県を代表する酒造好適米「ひだほまれ」は、飛騨地方のミネラル豊富な水と芳醇な土壌のもとで研究開発されました。
■なぜ飛騨地方が日本酒造りに適しているの?
お酒の味を最も左右するのは”水”です。
地下を流れる伏流水が豊富な飛騨地方では、純度の高い水を使ってお酒造りができます。
このミネラル豊富な伏流水によって、飛騨地方の地酒は非常に質が高く、雑味が少なくキレの良い、美味しいお酒ができるのです。
飛騨の地酒は、”美しく””美味しい”水を元に、地元で育てた”良質な酒米”や、厳しい寒さの中の仕込み、そして酒造りに携わる人々の情熱によって生み出される、唯一無二の存在なのです。
■水の重要性
酒造りにおける有効成分(カリウム・リン・マグネシウムなど)を含んだ清らかな水を使うことで雑味のない味わいの日本酒ができます。
逆に日本酒造りにとって良くない鉄分などの成分が多く含まれる水を仕込み水に使うと、日本酒にとって大切な要素である米の香りや風味が失われてしまいます。
ミネラル豊富な水を使ったお酒はキレがあり、ミネラルの少ない水を使ったお酒は口当たりがまろやかになると言われています。
■飛騨地方の酒文化
飛騨地方では、お祝いごとや冠婚葬祭、御歳暮、御中元といった節目にお酒を送りあう風習があります。また、寒い冬を乗り切るために、熱燗がよく飲まれ、酒宴文化も育まれてきたと言われています。その文化が今でも続いており、酒蔵と地元民の両者が地酒に対する意識が高いのが飛騨地方の酒文化です。
■飛騨の地酒にぴったりな地元グルメのご紹介
飛騨牛のステーキに朴葉味噌、川魚や旬の山菜のように、飛騨にはお酒に合う美味しいお料理がたくさんあります。また、有名なお料理だけでなく、飛騨には他にも美味しいものがたくさんあります。「在郷(ざいご)料理」と呼ばれる郷土料理は、飛騨を訪れた人に一度は食べていただきたいお料理です。他では味わうことのできない古くから伝わる料理が並び、目にも口にも体にも嬉しい食事の時を過ごすことできます。
■地元グルメに合わせたい日本酒のご紹介
”朴葉味噌”や”ころ芋”など、味噌や味醂を使った甘辛いお料理には、お米のコクのあるお酒がよく合います。
また、”川魚の塩焼き”や””山菜の天ぷら”などのお料理には、端麗な辛口のお酒や、スッキリした後味のお酒がよく合います。
また、飛騨では寒い冬を乗り切るために”熱燗”をよく飲む文化があり、熱燗に合うお料理が多いのも特徴です。
自然豊かな飛騨地方だからつくれる美味しい日本酒をお楽しみください。
参考文献
書籍:「日本酒の基礎知識」
2017年 新星出版社
WEBサイト:「飛騨誌公式観光サイト飛騨の旅」
https://www.hida-kankou.jp/product/12/article/
WEBサイト:「飛騨の酒カルチャー」
https://www.hida-kankou.jp/s/blog/144/
WEBサイト:「KUBOTAYA]
https://magazine.asahi-shuzo.co.jp/know/93#item4026