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2022.3.21
知らないと損する?日本酒の賞味期限と保存方法について正しく解説
-日本酒 専門のメディア SAKE HACK-
皆さんは、今まで日本酒の保管方法について、実は知らなかったり曖昧なまま過ごしていたりする事はありませんでしたか?日本酒を扱う上で知っておきたい知識や保管方法について、今回は一緒におさらいしていきたいと思います!
■日本酒に賞味期限は記載されていない
実は、日本酒には賞味期限は記載されていません。
ある程度の度数のアルコールを含んだ飲料は、殺菌力が強く、腐食がすぐに進まないので、
長期保存に耐えることができ、時間の経過によって熟成させることもできます。
そのため、日本では表示義務がなく、これは日本酒だけでなく、ワインやウイスキー、焼酎なども同様です。
日本酒のラベルをよく見てみると「賞味期限」の記載がない代わりに、「製造年月」の記載があることに気づきます。
これは瓶詰した日のことを指しており、醸造した日ではありません。
日本酒は、美味しく飲める期間はありますが賞味期限は特にありません。
もちろん美味しく飲める期間というのは、人それぞれ違います。
正しい保管方法をすれば、長く保管することも可能ですが、開栓した後は空気に触れて酸化が進んでしまい、味わいを損ねてしまいます。
開栓後はなるべく早く飲み切ることをオススメします。
■日本酒の賞味期限の目安(未開封の場合)
日本酒には賞味期限がなく、長期間の保存でも衛生的に問題はないとはいえ、美味しく飲むための「目安」はあります。
まずは未開封かどうかを確認しましょう。
なぜなら開封することにより、空気が瓶内に入り、日本酒の性質に変化が生じるからです。
さらに日本酒には、本醸造酒、純米酒、吟醸酒、生酒など、さまざまな種類があり、製造方法や出荷までの工程も異なります。
ラベルには必ず種類が書いてあるので、まずチェックしてみましょう。
では、未開封の場合で、美味しく飲むための賞味期限の目安を種類別に見ていきましょう。
・「本醸造酒」「普通酒」・・・製造年月から約1年以内
・「純米酒」「吟醸酒」「生詰酒」「生貯蔵酒」・・・製造年月から約8~10カ月以内
・「生酒」……製造年月から約6~8カ月以内
「本醸造酒」や「普通酒」は、製造年月から約1年以内が目安です。
製造過程で火入れを2回行い、醸造アルコールを添加するなど、アルコール度数をしっかりと調整しているため、
常温で保管しても、品質が大きく変化しません。
一方で、醸造アルコールが添加されていない「純米酒」や、繊細な吟醸香を持つ「吟醸酒」、
火入れを1回しか行わない「生詰酒」や「生貯蔵酒」は、美味しく飲むための目安は短くなります。
「生酒」は火入れを1回も行わないため、最も劣化しやすいお酒。できるだけ早く飲むのがおすすめです。
■日本酒の賞味期限の目安(開封後の場合)
開封することで、日本酒は空気と触れ、味と香りの変化が始まります。
基本的に開封したならば、できるだけ早く飲み切ることをおすすめします。
では、開封した後の日本酒の賞味期限の目安を見ていきましょう。
・「本醸造酒」「普通酒」「純米酒」……開封から約1カ月以内
・「吟醸酒」「生詰酒」「生貯蔵酒」……開封から約1週間以内
・「生酒」……できるだけ早く、数日以内が目安
「本醸造酒」「純米酒」は開栓後の味わいの変化を楽しむこともありますが、豊かな香りを持つ「吟醸酒」や、
火入れの回数が少ない「生詰酒」「生貯蔵酒」は、本来の繊細な味わいを楽しむために、開封後は1週間以内に飲み切ることをおすすめします。
さらに、火入れを一切行わない「生酒」は、変化のスピードが最も速いデリケートなお酒。
飲みきれなかった場合は冷蔵庫で保管し、早めに飲み切りましょう。
日本酒の保存方法として、特に気を付けたいポイントは「紫外線」と「温度」の2点です。
■紫外線を当てない
紫外線は日本酒にとって大敵ですので、冷暗所で保存しましょう。
日光が当たる場所で保存すると、太陽光や紫外線が原因で発生する臭み「日光臭」が生まれてしまいます。
また、太陽光だけではなく蛍光灯からも紫外線が出ています。直射日光はもちろん、蛍光灯の光にも気を付けましょう。
どうしても紫外線が心配だという場合は、新聞紙で瓶を包んで保存すると良いでしょう。
日本酒に茶色や緑の瓶が多いのは、紫外線の透過率が低いからなんです。
では、日本酒が紫外線に晒されるとどうなるのか。
紫外線の影響により、酒中のビタミンをはじめとする微量成分や有機酸の分解などの変化が生じ、劣化の原因になります。
■温度管理が大切
紫外線と同じくらい重要なのが温度です。保存に最適な温度は日本酒の種類ごとに異なりますが、重要なのは高温を避けること。
高温で長期保存すると「老香(ひねか)」と呼ばれる劣化臭が発生する場合があります。
また、急激な温度変化も酒質に変化が生じる原因となります。1年を通して室温が一定の場所での保存が理想的です。
なお、ワインはコルク栓の乾燥を防ぐために湿度の高い場所で保存する必要がありますが、日本酒は王冠や金属製のキャップで密閉されていますので、
高湿度である必要はありません。
逆に、湿気が多いとキャップのサビやカビの原因になりますので注意しましょう。
■冷蔵庫での保管がオススメの日本酒
・生酒
生酒は加熱処理が行われていませんので、通常の日本酒と比べると酒質が変化するスピードが早く、購入後できるだけ早めに飲んだ方が良いお酒です。
保存する場合でも、温度が高い場所に置いておくと味わい、香りともに品質の変化が早まってしまいます。冷蔵庫での保存が基本と考えてください。
・吟醸酒、大吟醸酒
長期低温熟成させた日本酒で、「吟醸香」と呼ばれるフルーツのような華やかな香りが大きな特徴です。
吟醸酒・大吟醸酒を高温で保存した場合、熟成が進みすぎてしまい、吟醸香が損なわれてしまいます。
デリケートなお酒ですので、冷蔵庫での保存をおすすめします。
■日本酒には賞味期限はありません
日本酒のラベルをよく見てみると「賞味期限」の記載がなく、「製造年月」の記載があることに気づきます。
これは瓶詰した日のことで、醸造した日ではありません。
日本酒は、美味しく飲める期間はありますが賞味期限は特にありません。
もちろん美味しく飲める期間というのは、人それぞれ違います。
正しい保管方法をすれば、長く保管することも可能ですが、開栓した後は空気に触れて酸化が進んでしまい、味わいを損ねてしまいます。
開栓後はなるべく早く飲み切ることをオススメします。
■寝かさず、立てて保存する
日本酒は空気に触れることで、酸化したり、味が変化したりしてしまいます。
保存のためには、空気と触れる面積を最小限にするために、立てて保存するといいでしょう。
■それでも、賞味期限の目安を過ぎてしまったら
上記の日本酒の賞味期限の目安を過ぎてしまい、そのまま飲むのがはばかられる場合は、料理酒として使うことができます。
煮物やお鍋、すき焼き、煮魚などに日本酒を加えることで、肉や魚を柔らかくしたり、旨みやコクが増し、臭みを消してくれる効果もあります。
また、お風呂の湯舟に少量の日本酒を入れて、贅沢に「日本酒風呂」にしてみるのもおすすめです。
身体が温まりやすく、日本酒に含まれているアミノ酸の効果でお肌がしっとりすると人気です。
もちろん、お肌に合うかどうかは人それぞれなので、アルコールに弱い人や肌が弱い人などは、
事前にアルコールパッチテストをするなどの確認が必要です。
以上のように、目安を過ぎてしまった日本酒にも使い道はありますが、お酒から明らかな異臭がしたり、変色したりしていないかどうか必ず使用前に確認しましょう。
■最後に・・・
皆さん、いかがでしたか?
当たり前に知っていた方もいらっしゃったかもしれませんが、
今まで知らなかったことや、誤った保管や取り扱いをされていた方もいたかもしれません。
ただ、大切なのは、正しい知識をより多くの方が身につけて、日本酒をきちんと本来の美味しい状態で召し上がっていただく事です。
ぜひ今からでも改良・実践をして、美味しい日本酒でより沢山の方々に、お酒の魅力を広めていきましょう!