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2021.2.5
日本酒の熟成【渡辺酒造店】
日本酒の楽しみ方の一つに熟成というものがあります。
自宅で日本酒を熟成させているという方もいらっしゃるかと思います。
今回は日本酒の熟成についてお話していきます。
■熟成とは何が起きている?
日本酒は多様なアミノ酸、酸類、糖類などを沢山含んでいます。
この複雑な成分が長期間の貯蔵中に化学反応により変化していき、特有の色、香、味を形成します。
大吟醸酒や吟醸酒はこれらの成分が少ないので変化も少ないですが、成分の多い純米酒や本醸造酒は大きく変化します。
日本酒の種類によっても出来上がるタイプが変わってくるのです。
また、貯蔵温度は高いほど熟成のスピードは速くなりますが、極端な高温(35℃以上)は香味のバランスが悪くなる恐れがあります。
・色の変化
熟成による発色は、糖とアミノ酸の反応(メイラード反応)によって生成されるメラノイジンです。
この反応は時間の経過とともに淡黄色から、琥珀色、赤褐色と変化していきます。
・香りの変化
新酒の時の出来たばかりの青竹のような香りや、フルーティーな香りから、熟成されるとカラメルやメープルシロップのような香りに変化していきます。
・味の変化
熟成による味の変化の特徴は、苦味の増加と酸味の変化です。
味の複雑さやコクが生まれ、ボリューム感が広がるようになっていきます。
飲み込んだ後の余韻を長い時間楽しめるのは熟成酒ならではの醍醐味です。
■オススメの熟成酒
・初搾りから熟睡参百日
12月にしぼった純生原酒を貯蔵庫でビンのままゆっくりと300日間かけて熟成させました。
一定の温度でじっくり熟成させたお酒は、新酒の時とはまた違った 味わいになっております。