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2021.2.5
日本酒造りに適した米『酒造好適米』について【渡辺酒造店】
米を原料とする日本酒の起源は水稲栽培が始まったとされる約2,000年前にさかのぼります。
食べて美味しい米があるように、日本酒を醸するための特別な米があります。その中でも醸造適正に高いものを「酒造好適米」と呼びます。
酒造に適した米の要件
- 精米中に砕けにくい
- 米粒が大きい
- 心白がある
- タンパク質が少ない
- 軟質米である
全国で100種類以上の酒造好適米が栽培されており、香りや味わいなど様々な日本酒が造られています。
山田錦
酒米の中でもっとも有名なのが、「山田錦」。生産量は全体の4割ほどを占めています。
心白が大きく、雑味の元となるタンパク質が少ないことが大きな特徴です。加えて、良質の麹が造りやすく、高精米にも向き、奥行きのある豊醇な味わいの酒を生み出しやすいため造り手に人気があり、栽培家や蔵元らの努力により、栽培地を拡大してきました。
ラインナップ
・ドS、超吟しずく、極意傳、色おとこ
五百万石
蔵元数が全国一位の新潟県生まれ、寒冷地向けに開発された早生品種で、大粒で心白がある。
蒸しあげたときに粘らず、外硬内軟の理想的な蒸米に仕上がるため、麹が造りやすい。米質はやや硬く、溶けにくい。それが「五百万石」の特徴であり、淡麗で爽やか酒質を生む傾向があり、強みとなっている。「淡麗辛口」という酒質は五百万石の開発があったからこそ実現できたともいわれます。
雄町
現在栽培されている酒造好適米の中でも最も歴史のある品種で、山田錦や五百万石をはじめ、その誕生後に開発・育成された品種には「雄町」を先祖とするものが多い。
心白が大きく球状になっていて、米が醪の中で溶けやすい特徴があります。
栽培が難しく、一時は消滅の危機もありましたが、岡山県の蔵元らが熱心に働きかけ、軽部などから復活栽培が推進され、徐々に作付面積を増やしています。主に岡山県で生産されています。
ラインナップ
・家宝伝承酒
酒米には様々な種類があり、同じ酒米の種類でも産地により異なる特徴があり、日本酒造りの工程で使われる酒米の量を調整したりと、言葉だけでは語れない興味深いものです。
酒米の種類や産地に注目して日本酒を選んでみると新しい発見があるかもしれません。